2025.07.18
2025年行政書士試験、いよいよ本番へ─“その先”を知っておくという準備
今年もまた、行政書士試験の本番が近づいてきました。
2025年の本試験日は11月9日(日)。これから夏にかけては、いわば“勝負の季節”です。受験生にとっては、模試やアウトプットの比重が高まり、時間の使い方がこれまで以上に重要になってくるタイミングでしょう。SNSでは勉強アカウントが活発になり、「もう何周目」「やばい、民法が苦手すぎる」といった声も聞こえてきます。
この試験に挑む方は、年齢も背景もさまざま。大学生、会社員、主婦、定年後の再挑戦の方まで幅広く、行政書士試験は“人生のターニングポイント”として選ばれることが多い国家資格の一つです。
それだけに、合格を「ゴール」に設定しがちですが、実はそこからが本当のスタート。今日は、試験本番が近づくこの時期だからこそ、あえて「行政書士になったその先」の話をしてみたいと思います。
合格後に待っている“もう一つの試練”
行政書士試験は、合格率が10%前後。確かに狭き門ではありますが、いわゆる「超難関」ではありません。そのため、資格スクールや独学で挑戦し、1年で合格される方も多い印象です。
ただ、合格したからといってすぐ仕事になるかといえば、現実はそう甘くありません。
登録には20~30万円以上の費用がかかり、開業すればさらに事務所の家賃やWebサイト運用費、保険料、会費などの固定費がのしかかります。特に最初の1〜2年は、営業力・発信力がないと依頼がゼロということも珍しくありません。
行政書士の仕事は、一般の方にはなじみが薄く、そもそも「何をしてくれる人なの?」という疑問すら多い。士業の中では比較的自由度が高い資格である一方、“食えるかどうか”は本人の動き次第で大きく変わってきます。
それでも、この資格には意味がある
ここまで読むと「じゃあ意味ないのでは」と感じる方もいるかもしれません。でも、行政書士として開業し、地道に実績を積んでいく中で、私が実感していることがあります。
それは、「社会の役に立っている」という確かな手応えです。
法人設立、補助金申請、契約書の作成、古物商や飲食業などの許認可、相続や遺言などの書類サポート──どれも、誰かの「困った」を書面で助ける仕事です。ネットに情報があふれる時代でも、手続きは“自分では不安”という方が多く、その不安を受け止めて信頼を得られるのが行政書士の役割なのだと感じます。
また、自由な働き方ができるのも大きな魅力です。自宅開業、バーチャルオフィス、子育てとの両立、副業との掛け持ち、法人化してスタッフを雇うなど、ライフスタイルに合わせた展開が可能です。
試験を迎える方へ
行政書士試験は、自分との戦いでもあります。誰も褒めてくれない日も、結果が見えず不安な日も、机に向かい続ける日々が続いているかもしれません。でも、その努力は、確実にあなたの人生を変える力を持っています。
合格はただの通過点。けれど、その“通過点”を越えた人だけが見える景色もあります。資格の活かし方は一つではありません。法律知識を使ってキャリアアップを目指す人もいれば、地域の中小企業を支える実務家として活躍する人もいます。
だからこそ、今この時期に「受かったらどうする?」を少し考えてみてください。
やりたいことは?どんな働き方がしたい?営業は得意?SNS発信はできそう?
その問いが、あなたの“その先”を豊かにするヒントになるかもしれません。
来たる11月、受験生の方々の努力が実を結びますように☺
行政書士の世界で、お会いできる日を楽しみにしています!